雨のち晴れ
「はぁ、疲れたぁ…」
家に帰ってベットに寄りかかる。
そしてエアコンの電源を入れた。
正樹が来るようになってからは、疲れが倍増だ。
本当に暇人なのか?
そもそも会社はどこにあるのだろうか?
ていうか、本当にあんなアホそうな人が外資系の保険会社勤務なんて信じられない。
「……。」
って、なんで私いちいち正樹のこと考えてるの?
アホくさ。
私はキッチンに立ち、お鍋を温め始めた。
今日のお昼に作っておいた、ロールキャベツと豚汁。
そして冷蔵庫から、オクラともやしのせ冷奴、ご飯。
今日は和食。
ロールキャベツって合わせるメニューが結構難しい。
メインにするのか、スープ感覚で副食にするのか、和食か、それとも洋風にパンと食べるか。
「うん、なかなかいい感じ。」
お皿に盛り付けをして、早速食べる。
唯一、私が安らげるとき。
お気に入りのラジオ番組を聞く。
いつもの私、いつもの習慣。
それなのに少しだけ今日は寂しいような感情に襲われた。
どうしたのかな、私。
脳裏に浮かぶ正樹と絵里の笑顔を打ち消すかのように私はラジオの音量を上げたのであった。