雨のち晴れ
いつも、すべてを正樹に見透かされているような気がする。
自分でも言葉に出来ない、よく分からない気持ちを、正樹はしっかり分かっている。
だから、私は動揺する。
「ん。」
「フッ…じゃあ俺、シャワー浴びてくるな。ソファでゆっくりしてな。なんなら寝室でもう休んでいいから。俺は今日リビングで寝るから大丈夫。」
「え、そんな…」
正樹は優しく笑って、また頭をポンと叩いてリビングを後にした。
〝何も気にするな〟って目で訴えている気がした。
やっぱり正樹は不思議な人。
こんな人がいるなんて今まで知らなかった。
正樹がいなくなったリビングはとても寂しく感じた。
それでもやっぱり寝室で寝るだなんて、正樹に申し訳なくて、私はソファでタオルケットに包まり横になる。
ドッと睡魔に襲われた、今日は本当に大変な1日だった。
もう、何も考えたくない。
何もかもーーー
私は目を閉じて、夢の世界へと足を運んだ。