雨のち晴れ


それから、溜まっていた洗濯物をして、散らかった部屋を片付けて、掃除機をかけて、お風呂掃除をして、時計を見るともう5時だった。

「ふぅ…」

テーブルの上に、ぽつんと持ってきたシフォンケーキが寂しそうにあった。

…夜ごはん、作ろうかな。

きっとロクなもの食べてなかったんだろうな。
ゴミ箱にはカップ麺やインスタント食品のゴミがたくさんあった。

睡眠不足な上に、そんなもの食べてたらそりゃ体調崩すに決まってる。

何か、お腹に優しくて栄養素あるものを。

冷蔵庫を開けると、以外にも食材はまぁまぁある。
使いかけばかりだけど。
でも良かった、買い出しには行かなくていいかも。

私はキッチンに立ち夜ごはんの準備を始めた。

こんな風に、誰かのためにごはんを作るだなんて…

しかも相手が正樹。
少し前だったら、とてもじゃないけど考えられないや。

でもとっても心は弾んでいた。

どうしてだろう。

ごはんを作っているから?

部屋が綺麗になったから?

それとも…正樹に会えたから?


どっちにしても、これも正樹のおかげ。

昨日までの重たい1週間。
それが嘘のように私の中から消えていた。


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