雨のち晴れ
「ふぅ、出来た。」
それから時間は過ぎ、私は夜ごはんを完成させた。
…何気に2人分。
ほとんど冷蔵庫にあったものは使い切った。
賞味期限近いものばかりだったし、まぁいいか。
さつまいものおかゆ
ネギと生姜のスープ
温野菜のサラダ
かぼちゃのそぼろ煮
出し巻き卵
一応、風邪にも易しいようなメニューにしてみたつもり。
メイン料理はなんなのかよく分からないけれど。
「…紗子?」
タイミングを見計らったかのように、正樹が寝室から出て来た。
「あ、おはよう。」
「はよ…よく寝た。」
正樹はまだぼけっとした顔で入り口に立っていた。
「ん、何この匂い?もしかして紗子…」
正樹は目を開きキッチンの方へ駆け寄ってきた。
「えっまじで?!夜飯作ってくれたのか!」
「え、あ、うん…な、何か栄養のあるものを、って思って。」
「うおー、超嬉しい!」
正樹はニコッと笑って、「さんきゅ。」と言って、私の頭に手を置いた。
「大したものじゃないけど。」
「んなことねぇよ。俺、今すぐ食べたい。最近ロクなもん食ってねぇから腹ペコだわ。
紗子、一緒に食おう。」
「うん…」
正樹は私が思ってた以上に喜んでくれた。
こんなに喜んでくれるとは、作った甲斐があるかも。
「座って、用意する。」
「おう、お願いな。」
正樹、少し寝たから体調良くなったのかな?
さっきよりもずいぶんと調子が良さそうだった。
そんなことを考えて、お皿に盛っていると、リビングから「紗子ー!」と正樹の声がした。