たとえばアナタと恋をして
どうやら、この席において乗りきれていないのはあたしだけのようで。

この、どさくさに紛れてとっととやっちゃおう。


「えと、藤島夏生です、陽菜乃と同じ病院で受付やってます」


まだ晃と陽菜乃がワイワイやっていたので助かった。


「夏生さんて」

ふと見ると柴巻君がワイワイしてる向こうから声をかけてくる。

猛者だわ……。

「はい、なんでしょう」

あたしも、あなたには是非とも聞きたいような聞きたくないような案件を抱えてますけど。


「もしかして、夏生まれなんですか?」

はい来ました、百万回目(推定)。


「そうで……
「今度の夏でめでたく30歳なんだよなー!」

晃の無神経な言葉があたしの言葉を遮る。

「俺達3人タメなんだよなー!!」

「ちょっとやめてよー!」


再びきゃっきゃと盛り上がる陽菜乃と晃。


うーん。


『29歳』と、『もうすぐ30歳』って、確かにほぼ同義語なんだけど……でも、何て言うか、全然違う!!!!
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