たとえばアナタと恋をして
「あ、でもあたしもそんなよーな話聞いたよ、大分昔に」


陽菜乃がじゃがいも餅を切りながら話に入る。


「誰からだよっ」


「学生時代の友達。あんたが遊んだ子の中の1人。そこまでのメルヘンストーリーじゃないけどね、だから晃くんは悪くないの!とか言ってたけど」


「悪ぅーーー!センパイ、女泣かせっすね!」


祐太君が何故か嬉しそうに言う。


「だから、あたしも話半分に聞きつつも、それなりに晃も傷負ってるのねー、と密かに心配したりしてたんだけど」


皆に責められるような形になり、黙り込む晃。


あたしは、不自然かな?と思いつつも、何にも口を挟めなくて。
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