たとえばアナタと恋をして
「じゃあ、また来ますんで!失礼しましたー!!」


颯爽と祐太君が病室から出てくる。


「あ、ゴミ落ちてましたよ」


「あ。すみません」


床からなにかを拾い上げ、あたしに手渡すと、そのまんま出ていってしまった。


「あの子も中々だわねー」


林さんが嬉しそうに言う。


「ま、晃くんのがイケメンだけどね!若すぎてもちょっとねー」


推定50歳オーバーの林さんにとって、23歳の祐太君は若すぎで、29歳の晃はアリなんだ、ということについて深く考えるのは止めて、あたしは手元のごみを何気なく開いた。


あれ?


そこには、祐太君のものであろう、メアド、ラインID、電話番号……

スペースさえあれば住所とかも書くつもりだったんじゃ?というくらい、個人情報の羅列。
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