たとえばアナタと恋をして
何だか捨てるのも可哀想で、畳んで制服のポケットに入れる。


連絡する気は勿論ない。


だけど……さすが、次男というか。


顔は颯太に似ているけれど、人懐っこさというか、可愛がられるのがうまいというか……。


憎めない感じ?


本当、かわいい弟って感じ。


祐太君は何も悪くないのだけど、祐太君を見ると自動的に颯太を思い出し、あの惨めな一件を思い出すという、よくないループが待っているんだよね。


そして、それを機に晃に助けられて、好きになって、ダメになって…………ああもう止めよう。


ぶるぶる、と頭をふり、あたしは気持ちを切り替えようとした。
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