たとえばアナタと恋をして

一瞬、驚いた後、晃がニヤリと笑う。


「さすがイケメン道場卒業生。男見る目が磨かれたじゃん。いいやつだよ、アイツ」


……バカじゃないの？なんで？



なんで、そんなこと言うの…………。


「…そ…んなんじゃ、ないよ……」


気の利いた返しなんて出来ない。


「確かにかわいいかわいい言ってたもんなぁ。夏生が連絡先教えてくれないってごねてたけどやるなーアイツ」


ご機嫌な晃のお喋りが続く。


とても聞いていられない。


「何の御用ですか？？」


おもいっきり事務的に返答する。


「あ？あぁ、さっき柴巻寄越したんだけど、肝心のチェックしてこなかったって言うから……」

晃も仕事モードに切り替わる。


「わかりました。確認してきます」