たとえばアナタと恋をして

「おっ前……」


小声でも、晃が怒っているのが分かる。


なに？なんでよ？？


「いくらなんでも、やりすぎだろ。そんな形で利用するなんて柴巻が可哀想だ」




……はい？？？


言ってることの意味がひとっつも、わからないんですけど。


「……なんのこと？」


「別れてから好きって気がついたからって、弟利用してどうしようっつーんだよ、また惨めな思いさせられるぞ、わかんねぇの？」




……違う違う違うチガウちがうちがーーーーーーーーーーうっ！！！


「晃くーん、お待たせー！」


林さんの陽気な声が響く。


あたしに発言する隙を与えず、晃は行ってしまった。