たとえばアナタと恋をして
「すみませーん、じゃ、また!」


びっくりするくらい、あっさりと方向を変えて駆け出して行く。


「ん、そうだね、またねー!」


何となく拍子抜けしつつ、手を振る。



……なのに、何故か遥南ちゃんがタタタと駆け寄ってくる。


え?え?


ふわり、と甘い香りがして、耳元に囁かれる。


「本当は、夏生さんに聞きたかっただけなんで、よかったです」


なんて1つ1つが、かわいい仕草をするのだろう。

と、関心すると同時にゾッとした。


……あたしの気持ちに気づいてる?



遥南ちゃんは、またあっと言う間に遠くに駆け出していってしまう。


あたしは、色々と宙ぶらりんな気持ちで、小さくなっていく遥南ちゃんの後ろ姿を見つめていた。
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