たとえばアナタと恋をして
「え、そうなの?あいつもあいつで、なんか電話口で病院がどーのこーのって騒いでたからてっきり夏生が入院したんだ、と思って」


「大体あの喧騒……晃どこにいたの?」


「え?俺??さくら町の自治会の、お囃子会」


「……なんで?冬に祭り??」


「お前、お囃子なめんな!夏にやるからって冬にだらだらしてるわけねーだろ!」


「……そうなの?」


「いや、本当は、そこの自治会長さんとこが、顧客の一人なんで様子見に行ってただけ。すんごいじいさんやら若手やら集まって練習しててさー、かっけーの」


そこまで話したところで晃のスマホが鳴り出す。


「じゃんじゃん出て」


「いや……ラインだし」
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