たとえばアナタと恋をして
一通り話を聞いたところで、はたと気づく。


うわぁ。二人っきり。久しぶり。


しかも、最後にここで二人で会ったのが……あの、唐突なお別れの時だったから……。


晃もその事を思い出しているのか、部屋を見渡している。


「……変わってねーなー……って、一回しか来たことねーけど」


「そだね」


……何だか空気が重い。


きっと、これは誤解を解くチャンス。



でもあたしにはその前にすることがある。


謝らないと。


「晃……あの……ごめんね」


「え?何が?」


変な猫のイラストの座布団に座った晃は、あたしの寝ている布団からそんなに遠くなくて。


手を伸ばせば届きそう。


いや、そんなこと考えてる場合じゃない。
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