たとえばアナタと恋をして
急に晃が辺りを見渡して、おいでおいでと手招きをする。

小声でヒソヒソと何か言っているけれど、聞こえない。

「ん?何??」

あたしは身を乗りだし、ちょうど揚げ出し豆腐のお皿の上辺りで右耳を軽く傾け、神経を集中させる。

「…………だろ」


「え?」


揚げ出し豆腐のいい香りを嗅ぎつつ、もう少し近づく。




ぷちゅ





………………は?????

な、何今の……


「そんなんだから駄目だっていってんだろ」


「へ…………」

い、今の右頬の感触はもしや……

思わず、右頬を押さえて跳びのく。
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