たとえばアナタと恋をして
4*

*****

仕事中のせいなのか、いつもの晃とは少し雰囲気が違っていて。


……あれ?でも、病院でもふわっふわに軽いチャラトークを展開してるな、仕事中なのに……


まぁとにかく。

普段なら全然何とも無いんだけど、嫌でも昨日の夜の事を思い出してしまって……。


営業車には、必要最低限の設備しかない、とのことで、流れているのはAMラジオ。


「なんで、泣いてたのか吐いてもらいましょーか、姫」


「……いやほんと、なんでもないし」


「何でもない三十路直前のオンナが日も高いうちから泣きながら歩いてたら通報されんぞ」


「大丈夫だって」


「大丈夫な人は大丈夫って言いませんけど」


……だって、これで颯太とのこと話したら……またリハビリしろとか言われるでしょ、どうせ。
< 46 / 204 >

この作品をシェア

pagetop