たとえばアナタと恋をして
『惨め』という単語に、思いの外傷付いている自分に気づく。


……他人の目から見ても、わかるんだ?

やっぱり、今あたし、結構惨めだよね?




「……晃」


「ん?」


「あたし、変われるもんなら、変わりたい」


晃があたしを見ているのが分かる。

でも、直視出来ない。


「よし。まかせとけ」


言うと同時に両頬を片手できゅっと掴まれる。


ばっちり晃と目が合う。


「少しずつでいいから、幸せになれよ」




ぎゃーーーーーーーーーーーっ!

よ、世の中の女子はこんなこと目を見て言われてるの??

無理無理無理ーーーーっ!


とりあえず、顔が熱い。

そして、タコグチになってるのをなんとかしたい。



きっとあたしの顔、真っ赤なんだろうな、と思いながら。

あたしは晃の顔じゃなくて、胸元に視線を落として頷いた。
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