たとえばアナタと恋をして
「他のとこで結構トラブってしまいまして……俺も林さんに会えなくて辛かったッス」


「やーだー!バカだね、もー!!」


……光景が目に浮かぶ。

どうしよう、トイレにでも……と椅子から腰を浮かせたその時。

カウンター越しに、バッチリ晃と目があってしまって。

「……っあ、」


声が喉で詰まる。

2週間ぶりに見る、『好きだ』と自覚してしまった晃は、何だか凄くかっこよくて……。



「な~つきちゃ~~ん、なんか痩せた?ちゃんと食べないと冬越せないぜーー」

ルパンのノリで、今まであったこと全てを忘れさせる破壊力。

今までのこと、あたしの妄想?ってくらい、いつも通りの軽い晃。


ついていけない……。


「…あ、先生、今大丈夫ですか?」

「はい、少々お待ちください」


あたしが面食らっているのが分かっているようで、仕事モードに切り替えて話しかけてくる。
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