仲良し8人組



梓が私を殺そうとしたから!



ひなはそう言ってしまいたかったが、その言葉が喉で詰まる。


梓が自分を勝也や明の様に殺したい程憎んでいた、許せないと思われていたという事実を確認するのが怖かったのだ。


だが、ひなが予想だにしなかった言葉がやってきた。



「ひなの事、信じてたから3人目にひなを選んだのに!ひなの事、本当に親友だと思ってたから選んだのに!」


「えっ…?」



信じてたから。


親友だと思ってたから。



梓のその言葉に驚きが隠せない。



「ひなとの約束、……信じてたのに。嘘つき!」


「あ、…あず……さ」



梓はひなとの約束を覚えていたからこそ、ひなの事を信じていたからこそ、ひなを3人目に選んでいたのだ。



『梓に何かあったら絶対に私が助けるから!』


『じゃあ私もひなを助けるよ!私達は大大親友だからね!』


『だよね!』



あの時の会話を梓はちゃんと覚えていたんだ。


私は、……私は、……。


梓との約束を破ったのは、……私だ。



「絶対に許さないから!この裏切り……」




そこで梓の声が途切れると共に、ズルッと頭が半分程溶けた身体の上を滑って床へと落ちていく。


床に転がった梓の頭が徐々に溶けていく。



「ああ……あ……あぁ」



『梓』と声を掛ける事すら出来ない。


ただ、ただ呆然と溶けていく梓を見ているだけ。


全てが溶けてしまうと、床に広がっていたどろどろの液体がじわじわと床へと吸い込まれていく様に消えていく。


同時に倉橋梓の存在が消えていく。



梓の存在を消したのは、私だ。



そう気付いた瞬間、ひなは頭を抱えて両手で抱え身を縮こませた。



「いやぁぁぁぁぁぁあ!!」



その叫び声と共に。


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