仲良し8人組
変化は簡単には起こらない。
何かの切っ掛けが必要で、その切っ掛けが必ずしも良い物である訳ではない。
だからこそ人は変化を恐れる。
ひなも亮介も。今日集まる他の6人も。
スーパーが見えてきた所で、ふと思い出した様にひなが口を開いた。
「ビールとかお酒も買う?未成年だけど」
尋ねておきながらも、飲むよね?という顔を亮介に向けるひな。
あからさまなその表情に亮介が苦笑する。
「あー、買っとくか!」
「だよね」
ひなの表情を見て、未成年だから駄目!なんて亮介が言えるわけがない。
ただ、元より駄目なんて言うつもりが亮介には無かった様だが。
お酒は20歳になってから!は、分かっていても、高校を卒業するとその気持ちも一気に緩くなってしまう。
飲み会というのが増えるせいでもあるのだが。
その結果、まあ、いっか今日位なら…と思ってしまうのが人間の性というものだ。
「勝也とか太一が酒~!って言いそうだもんな」
「確かに。あの二人は言うね」
そんな話をしている間に、目的のスーパーへと辿り着いた二人は、自動ドアを抜けスーパーへと足を踏み入れた。