仲良し8人組
「亮介。私を、……助けて欲しい!」
「えっ!?」
突然のひなからの申し出に亮介が目を丸くする。
ひなは助けて貰う事を選んだわけだ。
亮介の記憶から自分が消えてしまわないように。
「お願い!頼れる人が亮介しかいないの!お願い。お願いします!」
必死でそう言いながら頭を下げる。
地面に額がつくんじゃないかという所まで頭を下げた時、ふわっとひなの頭の上に亮介の手が乗せられた。
「頭上げろ、バーカ。ひなを助けるのはいつでも俺の役目だよ」
ムカつくくらい格好いい台詞。
それがひなの心に響く。
「りょ、…すけ」
顔を上げたひなの頬を一筋の涙が伝う。
そんなひなに、亮介はシシッと歯を見せて笑うと、バンッと音をさせてドアを全部開いた。
「兎に角、話は部屋で聞くから入れよ。ひな」
「う、……うん」
右手の甲で涙をグイッと拭い立ち上がると、亮介の部屋へと足を踏み入れる。
その空間は、今日感じた中で一番ひなをホッとさせてくれている様だった。