夢想い~キミオモイ~

「まだ何かあるの!?」そう言おうと振り向こうとした時だった。

トンと頭に何かが当たった。

上を見れば彼の手があった。


「頭についてるぜ♪」


そう言って葉っぱをピラピラと見せ付けた。

「ありがとう」と言おうと思ったがやめた。

「何勝手に触ってるわけ!?」

初対面の人に笑うのも変人扱いするのもおかしいと思うけど、触るなんてもっとおかしい!!

でも心臓はバクバクと高鳴っていた。

驚いたのと緊張しているのと両方の気持ちがあった。

「いや・・葉っぱついてたし」

「い・・言えばいいでしょ!?」

「俺が取ったほうが早い♪」

彼は無邪気に笑った。

「笑えばいいってもんじゃないからね」

笑って誤魔化す人はたくさん見てきた。

ほとんどロクなヤツなんていなかった。

全てその場しのぎの笑い。

次はもうない。

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