夢想い~キミオモイ~
~私~
「よかった~」
安心したかのように彼が笑った。
その笑顔はかっこいいと思った。
人をあざ笑うのではなく、本当に心から笑っていたと思ったから。
「そんな風に笑うんだね」
だからつい言葉に出てしまったんだ。
「そんな風に?」
「いやっ・・その・・・何でもない!!」
いつもなら普通に言えそうなこと。
何故か今日は焦って言えなかった。
何でだろうって思ったんだ。
気づくのは遅かったけどね。
「そう?あ、あっちにベンチがあんだ。そこで話そ♪」
彼が指差した先には小さなベンチ。
グイッと手をつかまれる。
心臓がドクン・・ドクンと早くなる。
「ちょっと!!また何つかんでんの!!」
「あっ!わりぃ!!」
パッと手を離した。
その後もずっとドキドキしてた。
何でこんなにも胸がドキドキするの?と思いながら。