夢想い~キミオモイ~
「いや、その次になんてていった?」
「可愛いって言ったけど?」
バシッ
「痛ってぇ!!」
信璃の腕を叩く音が、静かな森に響く。
信璃は嘘をついた。
そして『可愛い』とも言った。
「嘘を言うのも最低だけど、簡単に可愛いとか言うヤツはもっと最低!!」
信璃ではなく、どこか別の場所を見ながら私は言った。
可愛いなんて言われたことがない。
鼓動が高鳴る。
心臓が破裂しそう。
いきなりそんなこと言うなんて・・・・
普通じゃない!!!
「照れてんの?可愛い~♪」
また信璃が私をからかう。
照れてるんじゃない!
そうじゃなくて、そんなこと言われたことないから驚いてるだけ!!
そんなこという人は普通じゃない!!!
心を落ち着かせようとも落ち着かない。
そうだよ・・・信璃が悪いんだ・・・
全部信璃のせいなんだ!!
「全部信璃が悪いんだ!!」