夢想い~キミオモイ~
「未羅!」
ポンと後ろから肩を叩かれた。
「昇!元気そうじゃん!」
私の肩を叩いたのは小学校からの幼馴染、佐渡昇。
いつも明るくておもしろいやつ。
少し変な部分もあるけど、頼れる人。
兄っていう感じがする。
「ホント久しぶりだな」
「久しぶりって卒業式で会ったでしょ?」
「そんなもん昔だって」
笑顔を見せて言う昇は相変わらずだった。
明るくおもしろい昇はいつもと同じ。
学校に着くまでの20分間、楽しかった。
卒業式の話
テレビの話
休みの時の出来事
どこにでもあるような普通のこと。
すべての話が新鮮に聞こえた。
「今年も同じクラスだといいな!」
「そうだね♪」
昇が居れば絶対に楽しいだろう。
心の底からそう思った。