夢想い~キミオモイ~

外に出るようになったのはいつからだろう。

今では日課となった散歩。

でも本当は散歩なんか好きじゃない。

朝早く起きるのも本当は苦手。

それでも私・・・倉敷未羅は毎日外に出る。

あの家から少しでも離れるように・・・

一人で居る時間が欲しかった。

嫌なことを忘れる時間が欲しかった。

自由になれる時間が欲しかった。

「今日はどこへ行こう」

毎日毎日近所をフラつく。

行くあてなんてない。

ただ時間を潰している。

時間が来れば家に帰り、したくもない朝食の準備をする。

帰りたくない・・・・

帰らなくて済むのならそれがよかった。

けれどそれは無理なこと。

もうわかりきったことだった。

「人と会いたくない・・・」

私はいつも歩く道と逆の道を進んだ。

人気少ない山のほうへ。

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