夢想い~キミオモイ~

山を少し登った所に自然公園がある。

そこには私のお気に入りの場所があった。



誰も知らない“秘密の場所”



そこは私が唯一心を落ち着かせることのできる場所。

小学5年ぐらいだったかな・・・?

自然公園で私は遊んでいたら足を滑らせ落っこちたことがあった。

ズザザザッとずっとずっと下にまで落ちた。

体中が痛かった。

体中土まみれだった。

けどそんなこと、目を開けたらもう忘れていた。

一面に広がる桜の木。

一瞬にして心を奪われた。

今でもその景色は鮮明に覚えてる。

桜の花びらがそこらじゅうに舞っていた。

ヒラヒラと私の手の中に落ちてきた桜の花びら。

綺麗なピンク色はまるで、自分を歓迎してくれていたかのようだった。

それが嬉しく、一日中そこにいたのを覚えてる。

夏には綺麗な緑の葉が木につき、秋には綺麗な紅葉が見え、冬には辺り一面雪景色。

四季折々の姿が私を包んでくれた。

だから心休まる場所となった。

そして私の“秘密の場所”になった。

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