夢想い~キミオモイ~
~傷~
「未羅!夏祭り行こうぜ!!」
終業式が終わった後、教室に残っていた信璃が言った。
「夏祭り?いつ?」
夏祭りなんて何年ぶりだろう。
ずっと行ってなかった気がする。
「8月3日~昇も当然行くよな?」
「おう!もちろん」
もうこの二人もとても仲良くなった。
うるさいぐらいに。
その二人を見てるのはとても楽しかった。
「未羅は浴衣着て来いよ」
「はぁ?浴衣持ってないから無理」
浴衣なんて持ってないし、持ってても着れないし。
「じゃあ俺の姉貴に着させてもらえば?」
「昇のお姉さんに?」
そういえば昇にはお姉さんがいたんだった。
知的でとても美人な人。
女なら誰でも憧れる。
実を言うと、私も憧れていた。