夢想い~キミオモイ~

ズキッ!!

足が急に痛み出した。

下駄なんて慣れないものを履くから、靴ずれしてしまった。

「ッ・・・」

私は痛いのを我慢してしばらく信璃たちと歩いていた。

でもそれも限界。

「ねぇ!!ちょっと私そこで休憩しとくね」

私はその場から駆けるようにして立ち去った。

足が痛かったのもあるけど、今は信璃の笑顔を見ていたくなかった。

立ち去る前に一瞬だけ信璃を見た。

信璃は何か言いたげだったけど、すぐに絵里の方を向いた。

私はそれを見て、さらに足が速くなった。




祭をしているところから、少し離れた所にあった石に私は座った。

そして・・・泣いた。

涙を流すつもりなんてない。

でも自然と流れ出す。

「どうして好きになったんだろう・・・」

足の傷よりも、心にできた傷がとても痛かった。





涙が止まらなかった。

止めたいと願っても止まらない。

そして、私の涙を止めたのはキミじゃなかった。
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