夢想い~キミオモイ~
~ヒーロー~
この場所に座り込んでから何分経ったんだろう。
ただ顔をうずめて小さく泣いていた。
人が見ていようと関係ない。
どうせ誰も私の方を見ようともしないんだから。
「これで拭けば?」
「えっ・・?」
目が赤くなってることも気にせず、私は顔を上げた。
「これもやるよ」
その人はハンカチと絆創膏を私に差し出した。
私は少し戸惑った。
そして少し悩んだ。
何故この人は見ず知らずの私にこんなことしてくれるんだろう・・と。
「ほら早くしろよ」
「あっ・・ありがとうございます」
私はその人が差し出したハンカチと絆創膏を受け取った。
その優しさが心にとてもしみた。