アドラメレク

「玲香!日下さんにプロポーズされたんだって!?」

どこでどう話が経由したのか、会社のロッカー室で同僚の美奈が話しかけてきた

「・・・さぁ?」

とりあえずトボケてみたが、追跡を逃れるのは難しいだろう

「も〜っ!羨ましいなぁ。将来の重役夫人じゃんか」

「だからされてないってば」

私と日下の付き合いは、周りも知っているから隠す必要はないのだが、なぜか否定する自分がいた


「い〜なぁ。あたしも玲香みたいな美人に生まれたかったなぁ〜」

まるで私の話を聞いていない美奈が口をとがらす
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