アドラメレク
「ハァ・・・ハァ・・・」

家につくと鍵を何度も確かめて掛け、私は玄関先に座り込んだ

背中にジットリと嫌な汗を感じる

(・・・駄目よ、落ち着いて)

ゆっくりと深呼吸する

電気を点け、冷蔵庫の中からミネラルウォーターを取り出し、一気に喉に流し込む

目を閉じると、さっきの舞い散るこの葉が浮かんだ


― 記憶の欠片が、あの音を聞いたのが、初めてではない事を自分に告げる

窓際に駆け寄り、カーテンを少し開けた

怪しげな人や車のいない事を確認すると、ベットに仰向けに倒れ込む
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