アドラメレク
切断された指を割り箸でつかみ、躊躇する

まさかゴミ箱に捨てる訳にもいかない


二度と開けたくはなかったが・・・母から送られた小箱に入れるしかない

あの小箱の中身も同じ理由で捨てられず、冷蔵庫の奥にしまってある

割り箸をつかんだまま立ち上がると、ドアに向かい歩き始める


― ドアの下に、小箱が転がっていた
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