好きじゃないんだからっ!
好きって…
私には「好き」と呼べる人がいない。
普通にカッコいいと思う奴はいるけど、そういうのに限って性格ブス。
まぁ、好きな人が居たってどうせ叶わない恋だ。
ドジでガサツでおまけに運動オンチ。外見は…私の憧れの“地毛が茶髪”な
のとは大違いで、 怖いほど光沢のない黒髪。
そのせいで、ちょっとでも髪を伸ばすと「貞子だ!」と馬鹿にされる。
今はそれを避けて、ミディアムにしてるけど
「嫌い」と呼べる人なら即答なのにね…
もちろん輝!
なのに男子がカレカノだって騒ぐのはナゼ?
正直、輝はカッコいいとは思う。
学年人気No.2だから間違いないだろう。
でも、からかってくるし意地悪ばっかり!
それが恋の始まりって言う友達もいるけど…
アイツとカレカノとか嫌~!
アイツといえば、さっきの用ってなんだろう?
顔赤くなってたから…まさか…
コ・ク・ハ・ク!?
いやないないない!絶対ない!
輝は私のこと嫌い。きっとそう。
なら、私は…?
輝から声をかけられた時、実はちょっとドキドキしてた。
なんでだろう…私は好きじゃないハズなのに…
10分だけの休み時間は、こんな想像をしてるだけで終わった。