あまさがたりないくらいでいいの。
「━━━♪」
軽快なメロディが流れる。
6時40分、いつもどおりの起床。
私の目覚まし時計はCD。
大好きなバンドの曲を聴いて、清々しい朝を迎える。
「ふあぁぁ…」
1曲だいたい5分。
鼻歌を歌いながらカーテンを開ける。
太陽が眩しい。
毎日見ているここからの景色は、見る度に顔を変える。
曲が終わると踏み外さない程度の勢いで階段を駆け降りた。
「あめ、おはよう」
私は母と顔を合わせる。
今日も遅くまで仕事の母は既に支度が整っていた。
おはよ、と小さく返し身支度を始める。