光の花の散り際に
最初から分かりきっていたことなのに、どうしようもなく悲しくなった。
だって何もくれなくても、それでいいと思えた時期があったから。
最初は彰人だって確かに、あたしを求めてくれていた。ちゃんと、あたしと同じ気持ちで。
でも、いつからだろう。
あたしがあなたを求める理由と、あなたがあたしを求める理由が、いつしか形を変えてしまっていた。
その形さえ異なっていなければ、あたしはまだ頑張れたのかもしれない。
あなたが見せる夢に、未来を想像出来たと思う。
……きっと、終わりの日など考えなかった。
――告白したのは、あたしからだった。
友達だった彰人に彼女がいることは知っていたし、抱いた気持ちが叶うことがないことは分かりきっていた。
それでも告白したのは、すっきりしたかったから。
はっきり振られて、つらくなるだけの友達のポジションも捨てようと思っていた。
彰人との関わりを完全に絶つ。
そう決めていたのに……。
彰人は、あたしを離さなかった。
受け入れられた気持ちがどういうことなのかも、ちゃんと分かっていた。
でも、彰人から掴んでくれた手を振り払えるほど、あたしの心は強くなかったんだ。
振られてすっきりしたい。でも、この気持ちが少しでも報われるのなら……。
弱かった。
だから強がりの裏に隠した本音を優先して、彼女がいる彰人と付き合い始めた。
こんなこと駄目だと分かってる。
それでも、走り出した思いは止められなかった。
だからこそ、中途半端なことはしたくなくて。
すべてを捨てて、彰人のものになると誓った。
身も心も、プライドも。何もかも彰人に捧げる。
そのことに意味を抱いていたし、彰人だって望んでくれていることだった。
彼女にバレちゃいけないことだから、人の目ばかり気にする日々。
それでも彰人はあたしとの付き合いも疎かにしないし、あたしの気持ちをちゃんと求めてくれた。