花咲くオフィス




『鶴谷くん?どうしたの?』



そう聞いてみる。


不機嫌な顔はそのままで
ビールを一口飲むと机に置いて




『筒村さんさぁ?仕事の時は分かるけど歳上なんだし、先輩なんだし敬語じゃなくても良くないですか?』




なんて言い出した。




不機嫌な理由はそれ?




もっと深刻な事かと思った私は
なんだか拍子抜けしちゃって



『、、っぷ。はは』



笑ってしまった。


笑い出した私を見つめる鶴谷くんは
さらに不機嫌な顔になって行く。



でも、少しそんな顔が可愛いなんて
思ったり。



『笑いすぎっ』



『いや、だって。でもそうだよね、外でも敬語使われるの嫌な人いるよね』



『、、筒村さんだからっです』



『私だから?』



不機嫌な顔とは違って
今度は真っ直ぐ見つめてくる。



ま、深い意味があるわけじゃないだろうし
指導担当だから気を使ってしまうのかなぁ
なんて考えた。



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