絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
2
中央妖精大学校の塀沿いに、正門目指して駆けるテフィオの目の前を勢いよく何かが横切り、テフィオは足を止める。
そして目を見開く。
信じがたい光景がそこにあった。
黒々とした毛並の美しい狼の背に、なんと少女が乗っているではないか。
少女の白い頬や目鼻立ちの整った顔立ちが、一瞬ながら強い印象を彼に刻む。
そして狼が、少女を背に乗せたまま、跳躍した。
ばしゃりと水たまりを蹴った狼の脚から泥が飛び跳ね、テフィオを濡らした。
それに気づいたのだろう。
少女の視線が動き、テフィオをとらえ―
そして笑った。
「ごめんね!」と唇が動いたのがわかった。
その唇の紅さに気を取られている間に、その姿は塀のむこうへと消えた。
女性に気を取られるなど、彼にしては非常に珍しいことだ。
“運命に定められし出会い”―…
そんなセリフが脳裏をめぐったが、すぐにはっとした。
こんなところで突っ立っている場合ではない。
彼は服についた泥を乱暴にぬぐうと、再び駆け出した。
なんとしても、間に合わせなければ。
そして目を見開く。
信じがたい光景がそこにあった。
黒々とした毛並の美しい狼の背に、なんと少女が乗っているではないか。
少女の白い頬や目鼻立ちの整った顔立ちが、一瞬ながら強い印象を彼に刻む。
そして狼が、少女を背に乗せたまま、跳躍した。
ばしゃりと水たまりを蹴った狼の脚から泥が飛び跳ね、テフィオを濡らした。
それに気づいたのだろう。
少女の視線が動き、テフィオをとらえ―
そして笑った。
「ごめんね!」と唇が動いたのがわかった。
その唇の紅さに気を取られている間に、その姿は塀のむこうへと消えた。
女性に気を取られるなど、彼にしては非常に珍しいことだ。
“運命に定められし出会い”―…
そんなセリフが脳裏をめぐったが、すぐにはっとした。
こんなところで突っ立っている場合ではない。
彼は服についた泥を乱暴にぬぐうと、再び駆け出した。
なんとしても、間に合わせなければ。