絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
第五章 そろって寝坊した日
1
珍しく朝一番に教室にやってきたテフィオは、両手に抱えきれないほどの本を持っていた。
「テフィオ先生、何それ?」
「…今日は通常の授業はしない。調べ物をする」
「調べもの? 何を?」
テフィオはシルフィの問いを無視して、教卓の上に持って来た書物をどさどさと載せていく。
そして両手があくと、シルフィの額をぴんと小突いた。
「まったく、のんきな面をするな。一昨日の事件を忘れたのか?」
「アジトに潜入したこと? 忘れるわけないよ」
「あんなことがあったんだ。バリバウスは絶対に何か手を打ってくる。俺たちを徹底的につぶしにかかるだろう。先手を打つんだ」
「どうやって?」
「最近よく囁かれる“滅亡の日”について徹底的に調べる。そして今のままでは本当に滅亡するぞ、いいのか、皆死ぬんだぞと周囲の奴らに脅しをかけて、おびえさせ、圧力をかけて、奴に翻意せざるをえなくする。いい案だろう?」
「……え? 滅亡の、日…?」
シルフィは驚いたというより、何か触れてはいけない話題に触れた時のような、焦りのような感情をその顔に浮かべた。
そしてすぐにそれを取り繕うように笑顔を浮かべた。
その反応に、テフィオは逆に驚いて、「え?」と思わず返してしまう。
いつものシルフィなら、「それだよ! よ~しバリバウスをやっつけよう!」ぐらいは言って、絶対食いついてくると思っていたのだ。
けれどシルフィの様子がおかしいのはいつものことかと、テフィオはこのことをあまり重く考えなかった。
「テフィオ先生、何それ?」
「…今日は通常の授業はしない。調べ物をする」
「調べもの? 何を?」
テフィオはシルフィの問いを無視して、教卓の上に持って来た書物をどさどさと載せていく。
そして両手があくと、シルフィの額をぴんと小突いた。
「まったく、のんきな面をするな。一昨日の事件を忘れたのか?」
「アジトに潜入したこと? 忘れるわけないよ」
「あんなことがあったんだ。バリバウスは絶対に何か手を打ってくる。俺たちを徹底的につぶしにかかるだろう。先手を打つんだ」
「どうやって?」
「最近よく囁かれる“滅亡の日”について徹底的に調べる。そして今のままでは本当に滅亡するぞ、いいのか、皆死ぬんだぞと周囲の奴らに脅しをかけて、おびえさせ、圧力をかけて、奴に翻意せざるをえなくする。いい案だろう?」
「……え? 滅亡の、日…?」
シルフィは驚いたというより、何か触れてはいけない話題に触れた時のような、焦りのような感情をその顔に浮かべた。
そしてすぐにそれを取り繕うように笑顔を浮かべた。
その反応に、テフィオは逆に驚いて、「え?」と思わず返してしまう。
いつものシルフィなら、「それだよ! よ~しバリバウスをやっつけよう!」ぐらいは言って、絶対食いついてくると思っていたのだ。
けれどシルフィの様子がおかしいのはいつものことかと、テフィオはこのことをあまり重く考えなかった。