絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
「で、皇宮の大図書館から借りてきた文献がこれだ」
「す、すごい量だね」
「しらみつぶしに調べるぞ。ファイツ」
ぼろ教室のぼろい席に大人しく座っていたファイツが、テフィオに名前を呼ばれてびくっと反応する。
しかしファイツもおかしなことに、憎しみすら感じられるような鋭い視線でテフィオをにらみつけている。
「お前も手伝え」
ファイツはぷいっとそっぽを向き、羊皮紙を差し出しても応じなかった。
ファイツが傷つき、「絶対に知的活動などしてなるものか」と意地になっていることを、テフィオは知らないので、少しいらいらした。
テフィオはどっかと床に座り込み、教壇の下で丸まっていたシャドウを肘掛けに、一番上の本を開く。
『わらわを肘掛けにするなど、いい度胸だな』
「別にいいだろ。減るもんじゃなし」
『う~む…まあ、よいか』
『シルフィ。シルフィは調べなくていいからね。僕たちが調べるから』
プチが何かに気を使うようにそう言うので、テフィオは少しおかしいなと思った。けれどシルフィがすぐ、「ううん、あたしも調べるよ」と本を手に取ったから、深く考えなかった。
「す、すごい量だね」
「しらみつぶしに調べるぞ。ファイツ」
ぼろ教室のぼろい席に大人しく座っていたファイツが、テフィオに名前を呼ばれてびくっと反応する。
しかしファイツもおかしなことに、憎しみすら感じられるような鋭い視線でテフィオをにらみつけている。
「お前も手伝え」
ファイツはぷいっとそっぽを向き、羊皮紙を差し出しても応じなかった。
ファイツが傷つき、「絶対に知的活動などしてなるものか」と意地になっていることを、テフィオは知らないので、少しいらいらした。
テフィオはどっかと床に座り込み、教壇の下で丸まっていたシャドウを肘掛けに、一番上の本を開く。
『わらわを肘掛けにするなど、いい度胸だな』
「別にいいだろ。減るもんじゃなし」
『う~む…まあ、よいか』
『シルフィ。シルフィは調べなくていいからね。僕たちが調べるから』
プチが何かに気を使うようにそう言うので、テフィオは少しおかしいなと思った。けれどシルフィがすぐ、「ううん、あたしも調べるよ」と本を手に取ったから、深く考えなかった。