絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
第八章 滅亡の日
1
暗陽節。
太陽が七日間もの間姿を隠す大規模な日食。
それがこんな恐ろしい意味を秘めていたとは。
恐ろしい…とは、妖精のファイツではなく、人間たちにとって、だが。
ファイツの周りの人間たちは皆恐慌状態に陥っていた。
なぜなら―
「どうなっているんだ!? 気が…気が、使えない!!」
「見ろ! 気の建物が…崩れるぞ!」
「うああああっ」
今まで、絶対的な力で人間たちを優位に立たせていた力、“気(タルクィニル)”。
それがこの暗陽節では、無に帰してしまうようだ。
シルフィはこのことを知らなかったのだろう。
知っていたとて、何かができたとは思えないが…。
ありとあらゆるものが気で創られたこの街は今、崩壊を始めている。あの強固だった気が、軽石ほどももろく、次々と人を呑みこみながら崩れ去っていくのだ。
気に頼り切った人間たちは、この事態に対してあまりにも脆かった。
それに加えて、妖精たちが一斉に大反乱を起こした。
身を守るすべのない人間たちは、次々と妖精の炎により焼かれていく。
滅亡の日が、来てしまった。
シルフィは、間に合わなかったのだ…。
太陽が七日間もの間姿を隠す大規模な日食。
それがこんな恐ろしい意味を秘めていたとは。
恐ろしい…とは、妖精のファイツではなく、人間たちにとって、だが。
ファイツの周りの人間たちは皆恐慌状態に陥っていた。
なぜなら―
「どうなっているんだ!? 気が…気が、使えない!!」
「見ろ! 気の建物が…崩れるぞ!」
「うああああっ」
今まで、絶対的な力で人間たちを優位に立たせていた力、“気(タルクィニル)”。
それがこの暗陽節では、無に帰してしまうようだ。
シルフィはこのことを知らなかったのだろう。
知っていたとて、何かができたとは思えないが…。
ありとあらゆるものが気で創られたこの街は今、崩壊を始めている。あの強固だった気が、軽石ほどももろく、次々と人を呑みこみながら崩れ去っていくのだ。
気に頼り切った人間たちは、この事態に対してあまりにも脆かった。
それに加えて、妖精たちが一斉に大反乱を起こした。
身を守るすべのない人間たちは、次々と妖精の炎により焼かれていく。
滅亡の日が、来てしまった。
シルフィは、間に合わなかったのだ…。