絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
テフィオの目の前で、突如風が爆発した!

爆風は灼熱の炎となって瞬く間に彼の視界を染めていく。まばゆいまでの金色に。

(金色の炎!?)

まともに目を開けていられない。

すさまじい風圧と熱を持つこの炎は、ただの炎ではなかった。金色に輝く炎だった。

テフィオははっと息をのんだ。

伝説の炎とは、この炎のことなのかと。

では、やはり、間に合わないのだろうか。

彼女があれほど願ったのに…。

こらえようもなく、涙が冷たく頬を伝う。

どうして、争わねばならないのか。

人間と妖精の運命が悲しくて、…いや、それだけじゃない。

繰り返し見た夢が今、現実になってしまった。夢の中で繰り返し味わったこの悲しさは、こういうことだったのだ。

だからだったのだ。

シルフィを、喪いたくなくて。

守りたくて。

テフィオは吼えた。泣きながら吼えた。

「やめろぉぉぉぉぉ―――――!!」

金色の炎は、ごうっとうねり、妖精たちから帝都を守るように、広がり続ける。

妖精たちが進軍をやめた。

みなわかっていたのだ。

この炎こそが伝説の炎、妖精王とアンティストの力であると。

ゆえにこの炎の中から、今まさに、彼らが現れると。

炎を従え、彼らが命を下す、その時を待った。

それは炎を目にした人間たちも同じだった。

皆その場にひれ伏し、彼らの言葉を待った。

テフィオとファイツも、二人の登場を待った。

炎の中心が割れ、その体を光り輝かせながら人々の前に姿を現したのは――
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