絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
シルフィの持ち場は35クラスの教室が並ぶ右棟の廊下全部であった。掃除婦たちのロッカーがある主棟の一室から、右棟に向かって歩く。
自然と鼻歌が口を突いて出た。
モップやバケツをがちゃがちゃ言わせながらシルフィがのんびり歩いていると、二つの棟をつなぐ柱廊に差し掛かったあたりで見慣れた姿に出会った。
『シルフィ! 様子を見に来ちゃった』
「プチ! それに、シャドウも!」
プチはぱたぱたとはばたいてシルフィの肩にとまり、シャドウはシルフィの前を、何かを威嚇するようにのしのしと歩いた。何よりも心強い味方の登場に、シルフィの心はますます明るくなった。
『ねえシルフィ、どうして掃除婦になったの?』
「もちろん、妖精先生になるためだよ」
プチのもっともな疑問に、シルフィはさらりと答える。
『そんなことで、本当に先生になれるの?』
シャドウは会話に参加するつもりはないようで、柱廊をわずかに外れた道端に生えたキノコを興味深げにべろんと舐めていた。
これはシャドウがそれを気に入った証拠である。
シャドウはいかつい顔をしているが実はカワイイもの好きなのだ。
森でもいつも、カワイイどんぐりやリスをみつけたら舐め、相当気に入ったらそれを鼻の頭に乗せているのである。
自然と鼻歌が口を突いて出た。
モップやバケツをがちゃがちゃ言わせながらシルフィがのんびり歩いていると、二つの棟をつなぐ柱廊に差し掛かったあたりで見慣れた姿に出会った。
『シルフィ! 様子を見に来ちゃった』
「プチ! それに、シャドウも!」
プチはぱたぱたとはばたいてシルフィの肩にとまり、シャドウはシルフィの前を、何かを威嚇するようにのしのしと歩いた。何よりも心強い味方の登場に、シルフィの心はますます明るくなった。
『ねえシルフィ、どうして掃除婦になったの?』
「もちろん、妖精先生になるためだよ」
プチのもっともな疑問に、シルフィはさらりと答える。
『そんなことで、本当に先生になれるの?』
シャドウは会話に参加するつもりはないようで、柱廊をわずかに外れた道端に生えたキノコを興味深げにべろんと舐めていた。
これはシャドウがそれを気に入った証拠である。
シャドウはいかつい顔をしているが実はカワイイもの好きなのだ。
森でもいつも、カワイイどんぐりやリスをみつけたら舐め、相当気に入ったらそれを鼻の頭に乗せているのである。