絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
シルフィたちがテフィオリウスを探して校内を歩きまわっていると、保健室の前で小さな騒動に出くわした。
「きゃ~! 何かいるわ! ネズミよ! ネズミだわ! ネズミが薬をとって逃げたわ!」
誰かの叫びが耳に届くと同時に、目の前を小さな影がかすめていった。これを放っておけるシルフィではない。
「任せて! あたし、追いかけっこでは負けないよ!」
ネズミを追いかけてシルフィは駈け出した。
俊足のシルフィが本気を出せば捕まらぬものなどないのだが、ネズミもなかなかすばしっこい。
とりものは大騒動となった。
周辺担当の掃除婦のたらいをひっくり返し、花瓶を割り、調度品を倒して、やっと捕まえた時にはあたりはひどい有様となっていた。
そうまでして両手でしっかりと押さえこんだネズミを見て、シルフィは驚きの声をあげた。
「ええっ!? 妖精!? さっきの…」
そう。ネズミはネズミではなかった。
ひどく汚れてはいるが赤い毛皮の妖精で、しかも三日月に花の模様を額に戴いた、どう見てもさきほどの妖精だったのだ。
しかし様子があまりにも先程と違う。妖精は手の中で猛然と暴れ、シルフィの手にかみつき、シルフィの手が緩んだ瞬間機敏に動いて逃げ去って行った。
「きゃ~! 何かいるわ! ネズミよ! ネズミだわ! ネズミが薬をとって逃げたわ!」
誰かの叫びが耳に届くと同時に、目の前を小さな影がかすめていった。これを放っておけるシルフィではない。
「任せて! あたし、追いかけっこでは負けないよ!」
ネズミを追いかけてシルフィは駈け出した。
俊足のシルフィが本気を出せば捕まらぬものなどないのだが、ネズミもなかなかすばしっこい。
とりものは大騒動となった。
周辺担当の掃除婦のたらいをひっくり返し、花瓶を割り、調度品を倒して、やっと捕まえた時にはあたりはひどい有様となっていた。
そうまでして両手でしっかりと押さえこんだネズミを見て、シルフィは驚きの声をあげた。
「ええっ!? 妖精!? さっきの…」
そう。ネズミはネズミではなかった。
ひどく汚れてはいるが赤い毛皮の妖精で、しかも三日月に花の模様を額に戴いた、どう見てもさきほどの妖精だったのだ。
しかし様子があまりにも先程と違う。妖精は手の中で猛然と暴れ、シルフィの手にかみつき、シルフィの手が緩んだ瞬間機敏に動いて逃げ去って行った。