絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
救命の請願でテフィオがシルフィを協制先生に指名するという大事件が起こってより一月。
シルフィはテフィオを教師に猛勉強を積んで彼による試験を受け、なんとか無事に合格することができた。今日は正式な妖精先生としてはじめての仕事の日である。
妖精先生たちはひとつのクラスを二人の教師で担当する。一人が学問をはじめとする教科を担当し、もう一人が戦闘技術などの実技を担当する。シルフィは言われていたとおり教科を担当することになった。
「だからって…。とりあえず、気の中毒から救うために、みんなにプティの実を食べてもらうんだ」
「…プティ?」
「絆の樹、赤い樹液のプティのことだよ。知らない? あたしの服、この樹液で染めてるの。人々が身に着ける腰布(ファレム)と首布(ライナ)も、昔は皆この樹液で赤く染めていたんだよ。この樹がつける実をしばらく食べ続けてもらえれば、気の中毒がなくなるから―」
「どうしてそんなことがわかる」
「プチが治ったから!」
シルフィの肩に乗っていたプチが二人の会話に割り込んだ。
『そうだよ! シルフィはボクの命の恩人なの。気の中毒になって、川で溺れて、死にそうなところを助けてくれた』
プチが人間に声を送れることを知った時は、このいつも不機嫌そうなテフィオもさすがに驚きの表情を隠さなかった。だが今ではそれにも慣れたのだろう、不機嫌そうな表情を崩さない。
「プティの実からつくったケーキを、今日は早速持ってきたんだ。ファイツに食べてもらおうと思ってね」
テフィオは正面を睨みつけながら呆れたような声を出した。
「そんな一人分の食事で何になる」
「今日はお試し! 様子を見てもっとたくさん持ってくるよ。だってやっと妖精たちと触れ合えるんだもの、がんばらなくちゃ!」
シルフィはテフィオを教師に猛勉強を積んで彼による試験を受け、なんとか無事に合格することができた。今日は正式な妖精先生としてはじめての仕事の日である。
妖精先生たちはひとつのクラスを二人の教師で担当する。一人が学問をはじめとする教科を担当し、もう一人が戦闘技術などの実技を担当する。シルフィは言われていたとおり教科を担当することになった。
「だからって…。とりあえず、気の中毒から救うために、みんなにプティの実を食べてもらうんだ」
「…プティ?」
「絆の樹、赤い樹液のプティのことだよ。知らない? あたしの服、この樹液で染めてるの。人々が身に着ける腰布(ファレム)と首布(ライナ)も、昔は皆この樹液で赤く染めていたんだよ。この樹がつける実をしばらく食べ続けてもらえれば、気の中毒がなくなるから―」
「どうしてそんなことがわかる」
「プチが治ったから!」
シルフィの肩に乗っていたプチが二人の会話に割り込んだ。
『そうだよ! シルフィはボクの命の恩人なの。気の中毒になって、川で溺れて、死にそうなところを助けてくれた』
プチが人間に声を送れることを知った時は、このいつも不機嫌そうなテフィオもさすがに驚きの表情を隠さなかった。だが今ではそれにも慣れたのだろう、不機嫌そうな表情を崩さない。
「プティの実からつくったケーキを、今日は早速持ってきたんだ。ファイツに食べてもらおうと思ってね」
テフィオは正面を睨みつけながら呆れたような声を出した。
「そんな一人分の食事で何になる」
「今日はお試し! 様子を見てもっとたくさん持ってくるよ。だってやっと妖精たちと触れ合えるんだもの、がんばらなくちゃ!」