絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
“妖精など奴隷のままでいればいい”…。

聞き捨てならない台詞だ。

次期校長とまで見込んだテフィオなのに…。

シルフィはさすがにしゅんとなった。

「優しい人じゃ…なかったのかな…」

『ずいぶん気にしてるねシルフィ』

「え?」

いつのまにか肩にとまっていたプチが、首を傾げている。

『今までだって、今のテフィオ先生みたいな考え方の人、いっぱい見てきたでしょ。それなのに、なんでそんなにテフィオ先生のことだけ気にするの?』

「それは…」

シルフィは珍しく答えに詰まった。

自分でもわからなかったのだ。

『嬢…もしや』

机の下に潜んでいたシャドウが、何かを言いかける。

シルフィはなぜか続きを聞くのが恐ろしくて、強引に話題を変えた。

「とりあえず! 今日寮に持っていく試食をちゃんと用意しなきゃね! ひとっぱしり、お願いしてもいい? プチ、シャドウ」

何よりもまず、妖精たちに試食を食べてもらうことだ。

シルフィは気持ちを切り替え、放課後に備えあれこれ計画を考えるのだった。
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