絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
翌日の昼過ぎ。
ファイツは街帰り、シルフィのかばんの中で解せない思いを感じていた。
どうしても見せたいものがあるなどと言って連れ出したくせに、シルフィの奴、いつもと変わらず相談所に連れて行っただけだった。ファイツの記憶にある限り、真新しい“シルフィが見せたがるようなもの”などなかったように思う。
ひとついつもと違った点といえば、プチとシャドウが同行しなかったということだろうか。
ファイツの脳裏にプチの愛らしい姿が蘇る。
シルフィやテフィオなど大嫌いだが、プチ…のことはどうしても嫌いになれない。
森にいた頃、秘密の広場に身を潜めるしかなかったファイツにとって、そこに住む鳥たちは大好きな友達だったからだ。
ついカワイイ、と思ってしまう。
そう思うのはどうやら自分だけではないようだ。
毎回毎回どうやって、寮の見張りの目をかいくぐっているのか疑問に思っていたが、それにはプチが一役買っているらしいと最近知った。
なんと、プチがその愛らしい容姿と好ましい気質で見張りたちを魅了し、その隙にシルフィたちが寮に入り込んでいるのだという。
具体的には、かわいいしゃべる鳥として現れ、見張りたちと数十分のお茶会を開いているのだとか。
ばかげた話だ。
シルフィたちときたら何もかもばかげているから、今に始まったことではないが。
今日も、どこからか現れたプチが見張りたちと談笑している隙に、シルフィがそっと鞄を開けてファイツを地面におろした。
ファイツは街帰り、シルフィのかばんの中で解せない思いを感じていた。
どうしても見せたいものがあるなどと言って連れ出したくせに、シルフィの奴、いつもと変わらず相談所に連れて行っただけだった。ファイツの記憶にある限り、真新しい“シルフィが見せたがるようなもの”などなかったように思う。
ひとついつもと違った点といえば、プチとシャドウが同行しなかったということだろうか。
ファイツの脳裏にプチの愛らしい姿が蘇る。
シルフィやテフィオなど大嫌いだが、プチ…のことはどうしても嫌いになれない。
森にいた頃、秘密の広場に身を潜めるしかなかったファイツにとって、そこに住む鳥たちは大好きな友達だったからだ。
ついカワイイ、と思ってしまう。
そう思うのはどうやら自分だけではないようだ。
毎回毎回どうやって、寮の見張りの目をかいくぐっているのか疑問に思っていたが、それにはプチが一役買っているらしいと最近知った。
なんと、プチがその愛らしい容姿と好ましい気質で見張りたちを魅了し、その隙にシルフィたちが寮に入り込んでいるのだという。
具体的には、かわいいしゃべる鳥として現れ、見張りたちと数十分のお茶会を開いているのだとか。
ばかげた話だ。
シルフィたちときたら何もかもばかげているから、今に始まったことではないが。
今日も、どこからか現れたプチが見張りたちと談笑している隙に、シルフィがそっと鞄を開けてファイツを地面におろした。