絆物語~クールな教師(アイツ)と狼少女の恋~
今まで一言も漏らさず話を聞いていたシルフィは、ふと哀しくなって問うた。
「じゃあ、…ただラダメシスのためにここに来て、ラダメシスのためにファイツに接してる、私たちのことも利用しただけだって言うの…?」
テフィオは数瞬間をおいてからはっきりと頷いた。
「―そうだ。
ラダメシスを手にして、アンティストたちが戻ってきたときに選ばれるといわれている“運命の英雄”にでも選ばれてみろ。国王にだってなれるかもしれない可能性がある」
熱に浮かされたように語るテフィオに、シルフィは言わずにいられなかった。
「変だね」
「―は?」
「変だよ。欲しいものは全部、ここにあるのに。すべて切り捨ててまで、いったい何をそんなに欲しがるの?」
「なんだと?」
「テフィオは勘違いしているんだね。アンティスト様はラダメシスをそんな目的のために使ったりしなかった」
「見てきたように言うな!」
「気は戦うためのものじゃない。ラダメシスもそう」
「だからあの時も気剣を出さなかったっていうのか? あんな血だらけになって。呆れるな」
「じゃあ、…ただラダメシスのためにここに来て、ラダメシスのためにファイツに接してる、私たちのことも利用しただけだって言うの…?」
テフィオは数瞬間をおいてからはっきりと頷いた。
「―そうだ。
ラダメシスを手にして、アンティストたちが戻ってきたときに選ばれるといわれている“運命の英雄”にでも選ばれてみろ。国王にだってなれるかもしれない可能性がある」
熱に浮かされたように語るテフィオに、シルフィは言わずにいられなかった。
「変だね」
「―は?」
「変だよ。欲しいものは全部、ここにあるのに。すべて切り捨ててまで、いったい何をそんなに欲しがるの?」
「なんだと?」
「テフィオは勘違いしているんだね。アンティスト様はラダメシスをそんな目的のために使ったりしなかった」
「見てきたように言うな!」
「気は戦うためのものじゃない。ラダメシスもそう」
「だからあの時も気剣を出さなかったっていうのか? あんな血だらけになって。呆れるな」