水曜日の彼女
遼が宿題を写す手を止め、顔を上にあげて俺の顔を見る。
遼のまっすくな視線に、思わず目を逸らした。
「・・・・・。
他の女が面倒になったんだ…。」
「他の女って…加藤さん以外の女ってこと?」
いつもなら茶化したり、ふざけたりする遼が、今日はいつになく真剣なので、俺も素直に頷いた。
するとニッコリ微笑んで、俺の頭をグシャグシャと撫でた。
男にこんなことされても…正直全然嬉しくない…。
でも…玲菜の事を特別だと認めてしまったら、最近感じていたモヤモヤが少しだけ…少しだけだけど軽くなったような気がした。