水曜日の彼女
「朝陽。
もう自分の気持ちを、縛りつけないで良いんじゃないか?
俺は…昔からお前と一緒に居るから、何で頑なに人を信じようとしないのか分かってるよ。
でも…お前が【特別だ】と直感で感じ取った気持ちを、信じてみても良いんじゃないかって思う。」
遼のいつになく真剣な言葉は、俺の心にスゥッと入ってきた。
でも……
「今さら…玲菜に何て言えばいいんだよ。
アイツのこと…あんな酷い言葉で切り捨てたのに…。
それに…信じて、大事にして…それで…また去って行ったらって思うと、俺は……。」
そんな弱気な言葉を吐く俺のオデコに鈍い痛みが走った。
「いってぇぇぇぇ~~っっ」
遼のデコピンをくらったオデコを押さえながら、苦痛に顔を歪める。