水曜日の彼女
入学して数か月経った頃、何度目かの席替えで、朝陽の前の席になってしまった俺。
しょうがなく話すと、案外いい奴で、すぐに仲良くなった。
でも…何となく朝陽が他人に対して、一線引いている事も気が付いていた。
ある日、三者面談で学校に朝陽の母親が来ていた姿を見て、
「朝陽の母ちゃん超美人だな。
朝陽と雰囲気が似てる。」
というと、一瞬朝陽の瞳が悲しげに揺れた。
え??
俺…何かいけないこと言ったかな…。
そう思い、慌てて朝陽に聞いたんだ。
「ゴメン…俺何か変なこと言ったかな……!?」
すると、朝陽は尚も切なそうな声で
「・・・・・。
ごめん。遼のせいじゃないんだ。
俺…母さんとは血繋がってないんだ。
だから雰囲気が似てるって言われて、ちょっと驚いたんだ。」